動的環境に対応したコンフィギュレーション時空間による動作計画
論文情報
木南 貴志,山内 悠嗣,“動的環境に対応したコンフィギュレーション時空間による動作計画”,ロボティクス・メカトロニクス講演会,2021.paper
概要
近年,労働力の不足や人件費の削減などの理由により,単純な作業をロボットが担うケースが増加している.産業用ロボットの多くは,ロボットを人間から隔離した場所に配置し,十分な安全が確保された静的な環境下で運用されることが多い.近年では,限られた狭いスペースで動作するロボットや高度なタスクが要求されることから,人間と同じ空間で作業する協調ロボットの需要が高まっている.人間と同じ空間で安全に作業するためには,静的な環境下だけでなく,人間を含む動的な障害物にも対応できるような動きが求められる. ロボットの自動化には教示と動作計画の2種類が存在する. 教示は作業者がロボットを操作して覚えさせる方法であり,直感的に動作を学習させることができる.しかし,動作を学習させることに多くの時間が必要になることや,80W以上のロボットの教示には資格が必要になるなどの多くの問題が存在するため,近年では動作計画に関する研究が盛んに取り組まれている.ロボットの基礎的技術の1つである動作計画は,ロボットが与えられたタスクを達成するための動作を計画することである.一般にConfiguration-space(C-space)と呼ばれるロボットの姿勢を表現した空間を用いて,初期姿勢から目標姿勢までの最適な軌跡を生成する.センサ等で未知の障害物を発見した場合,得られたセンサ情報から障害物のみを抽出して障害物とロボットアームとの位置関係を 算出する.そして,センサの座標系をロボットの座標系に変換した後,障害物の位置が更新された状態で動作計画を実行することで障害物を避けるような軌跡を生成する. 動作計画手法は現在までに様々な手法が提案されており,産業用ロボットに適用されている.多くの動作計画法は空間中を移動する物体が存在しないと仮定した静的な環境下で計画をする.人間が同じ空間で作業するような動的な環境下においては,ロボットの動作中に人間を含む動的障害物に衝突する危険性がある.また,動的障害物を回避するために軌跡を再計算することが必要になるため,非効率な動作計画となる. そこで,本研究ではC-spaceを拡張して時系列変化に対応させたConfiguration-time-space(C-time-space) を提案する.C-time-spaceはC-spaceに時間軸を追加することで静的物体に加えて,各時間の動的物体を表現した空間である.C-time-spaceを導入することにより動的な障害物を考慮したロボットの軌跡を生成することが可能となる.
スライド
Bibtex Reference
@inproceedings{木南 2021,
author = {木南 貴志 and 山内 悠嗣},
title = {{動的環境に対応したコンフィギュレーション時空間による動作計画}},
booktitle = {ロボティクス・メカトロニクス講演会},
year = {2021},
}